祖母から大家の仕事を継いだ、荒川区の賃貸マンション『トダビューハイツ』。築約40年のおっちゃん物件です。
https://todaviewheights.com/
大家業を継いだのは2016年ごろ。当初は周囲に新築マンションが増え、トダビューハイツは築40年近くなり、空室が増えたまま埋まらなくなっていました。
不動産業界未経験だった私ですが、まずは空室の掃除や日々の物件管理から始め、物件のWebサイト制作と情報発信に着手。
お客様から直接入居ご希望のご連絡いただくようになり、1年後、満室となりました。おかげさまで現在は、空室が出ると即日満室になっています。
一車両の路面電車・都電を降り、うねうねした路地を抜けた先にあるトダビューハイツ。都内とは思えないほどのんびりとした空気が流れる下町に馴染んでいる物件です。
頻繁な交流イベントは無いけど、なんとなく全員顔見知り。たまに落語会やランチ、お花見をして、ゆるく繋がる、けど普通のマンション。
肩肘張らない、トダビューハイツのありのままの良さを表すデザインにしています。
サイトのトップは、町の手書きマップ。 住む方には、部屋だけじゃなく町も楽しんでもらいたいと思っているからです。トダビューハイツがあるのは、私が生まれ育った町。素敵なお店はもちろん、グッとくる路地裏の道や、おもわず笑ってしまうような珍スポットがたくさんあります。そんな荒川区だからこその魅力を、サイトではゆるく発信しています。
トダビューハイツはがっしりしてるし築年数もたってるので、私は「おっちゃん物件」と擬人化して呼んでいます。
最近は「わたしもトダビューハイツが人に見えてきて、トダビューハイツ“さん”って、人みたいに呼んじゃうんです」と言ってくださる方も。
CONCEPT
「コミュニティ」は重いけど、「関わりしろ」は欲しい
ひとり時間が大好き。一緒に過ごすのは、本当に気を許した家族や友達とが良い。交流会とか本当にしんどい。
だけど挨拶しあえるご近所さんがいるとホッとするし、馴染みのカフェに行ってオーナーとお喋りしながらご飯食べるのも好き。
「コミュニティ」って呼ばれるような密接な関係性はなんだか重いけど、手を伸ばせば返ってくる「関わりしろ」は欲しいんだ。
と自分の欲求に気づいてから、トダビューハイツでは強制的ではない「関わりしろ」をご用意しています。
ご入居直後に「ご近所のおすすめお店」をメールでお送りするけど、一緒に行きましょうとは言わない。(仲良くなったら一緒に行ってます)
たま〜にイベントやったりするけど、告知は掲示だけ。直接のお声がけはしない。
継いだ当初は「イベントやらなきゃ...」って焦ってもいたんだけど、イベントは手段であって目的ではない。「賃貸住宅の居心地の良さ」を考えたら、このくらいのゆるさがちょうど良いのかもなって思えるようになりました。
祖父母が長年作ってきた住人さんたちとの信頼関係のベースを壊さず、私なりに育んでいきたいと思っています。(なんせ築約40年で、新築当初から住んでくださってる方もいます)
住人さんが自発的に書いてくださった「トダビューハイツの推薦文」もサイトに掲載。
ここに暮らす心強さ、みたいなものが確かにあって、これがきっと入居時に私が求めたものなのだろうなと、今は思う。
となんとも嬉しい言葉を書いてくださいました。サイトを経由して入居してくださった方は皆、トダビューハイツとシンパシーのある素敵な方ばかり。そんな住人さんたちに支えられて運営しています。
また、サイトにはご近所さん紹介コーナーを作っています。トダビューハイツに興味を持ってくださった方が、町や暮らしのイメージをするきっかけになればいいなと思っています。
トダビューハイツについて書いていただいた記事
物件ファンは、大家さんファン。忘れがちですが、世の中には、物件の数だけ大家さんがいます。...
3/10(水)に、大家の学校のスピンオフ企画『アフロとボウズの物件徹底解剖』というイベントで、東京都荒川区にある賃貸マンション、トダビューハイツの大家さんである戸田江美さんとトークをさせてもらいました。 戸田さんのキャラクターもあいまってとても穏やかな雰囲気でトークが進みましたが、その中で僕自身が得られた新たな視点について、今回のnoteでは共有させてください。 「ほっこりオシャレな下町」を目指して
荒川区の尾久(おぐ)、と聞いたところでピンとくる方はまだまだ少ないと思いますが、東京に残る唯一の都電が通り、昭和のまま時間が止まっているかのような光景があちこちに見られる